輸出関税引き上げへ、6月から142品目で


文章の発表時間:2007-05-29 15:18:24

  財政部は6月1日から、鋼鉄製品約80品目を含む142品目を対象に輸出関税の税率を引き上げると発表\した。あわせて209項目を対象に輸入関税の引き下げを実施することも明らかにしており、資源流出防止のほか、輸出抑制と輸入促進による貿易不均衡の改善に、当局が本腰を入れ始めた形。関連業界に与える影響は少なくないとみられ、製品・部品の輸出入に関係する日系進出企業も今後の動向に気を配る必要がありそうだ。

  同部によると、来月から炭素鋼線材、板材、型材、その他鋼材製品などを含む鋼鉄製品約80品目に対し、新たに5〜10%の輸出関税を課す。このほか、昨年に既に10%の適用が決定していたビレット、インゴットなどの軽度加工および一次産品の関税率は15%まで引き上げられる。

  また、天然黒鉛、希土類金属、精練鉛、酸化ジスプロシウム、酸化テルビウム、ほか一部非鉄金属などの輸出関税率は10%に、またモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、マグネサイトなどの輸出関税率は5〜15%となる。従来10%だったクロム、タングステン、マンガンなどの税率は15%に、従来 5〜10%だった一部鉄合金、蛍石、コールタールなどの税率は10〜15%にそれぞれ引き上げられる。

  今年4月に輸出増値税の還付率引き下げ後に、生産過剰や輸出の急増が目立つ製品についても、さらに踏み込んだ形での規制を進める計画としている。

■輸入関税引き下げも

一方で輸入関税の引き下げ対象となるのは209品目。石炭、コルク、燃料油などエネルギー関連製品の輸入関税率は暫定で0〜3%まで引き下げられるほか、エアコン・冷蔵庫用のコンプレッサーおよび関連部品、カメラ部品、カラーテレビ部品などの税率は暫定で2〜6%まで引き下げる。日用品では食品加工機、厨房機器、嬰児用食品、装飾用セラミックなどで税率が暫定6〜17%まで引き下げられる。

  関税率を引き上げる輸出品は資源浪費や環境汚染が懸念される品目に、また、引き下げられる輸入品は高技術で生産効率の向上に有益とされる品目にそれぞれ集中しており、一連の税率変更は、資源流出と貿易黒字の削減に向けた強硬策の一環といえる。

  特に引き上げ対象の大半を占める鉄鋼製品については、先に輸出増値税の還付率引き下げや、輸入許可証制度の導入決定などが明らかになったばかり。貿易摩擦の回避を視野に、締めつけがさらに強まりつつある形で、一連の措置が今後の鉄鋼業界に大きく影響することは間違いない。同様の措置が今後も続けて採られる可能\性もあり、しばらくは当局の発表\に注意する必要がありそうだ。なお対象品目の税率については、財政部ホームページ(http://www.mof.gov.cn/news/20070522_2047_26505.htm)で一覧を確認できる。

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